籐・とう・ラタン・Rattanとは

てづくりぐみ

籐(とう)の字は、竹冠です。草冠の藤(ふじ)とは違う字です。

籐(とう、ラタン)は、椰子科の植物で、竹の仲間でもなければ藤(ふじ)の仲間でもありません。
熱帯雨林地域のジャングルに自生する、非常に生命力の強い地上最長の植物です。

籐は薄暗いジャングルの中で上空の太陽光線を目指してひたすら上方へ伸びようとします。
伸びる途中で自立できなくなると横倒しに倒れます。
倒れながら、枝や葉の裏についた無数の鋭いトゲで他の樹木にからみつき、
そこからまた上方に伸びていきます。伸びては倒れ、倒れては伸びる繰り返しの結果、
ときに数百メートルにも及ぶ長い姿が形成されます。

籐に分類される種族は約300種、そのうち産業用資材として利用されているものは約30種類ほどです。
成長につれて太くなるもの、伸びても細いままのもの、はじめから太いもの、堅いもの、
繊維の荒いもの、細かいものなど種類によって性質も様々です。
大別して、太いものは家具のフレーム材として使用され、
細かいものはこれを裂いて皮籐(ピール)と芯籐をとり編んだり巻いたりする材料になります。

木材が成長リサイクルに50年~70年を要するのに比べて、
籐は自生するジャングルが保護されている限り、採ったあと5年~10年で再生します。
環境を破壊しない資源といえます。

籐(ラタン)の写真

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